混合に関する質問と回答 |
---|
問1:販売実績を教えてください。 |
---|
ページ先頭に戻る |
フォトメーターは、昭和59年頃と思いますが、大阪府立大学工学部化学工学科の宮南教授と佐藤教授の「光学的手法による粉粒体の混合度の連続測定」という研究の為の測定器を、先生のアイデアに基づいて当社が開発したものです。
先生方の学会等への研究発表のあと各企業から大阪府立大へ同じ測定器が欲しいとの声があり、当社から直接販売させていただいておりました。 今までにフォトメーターを納品させていただいた企業の業種は混合機メーカー以外では 医薬品、農薬、化粧品、食品、澱粉、小麦粉、添加物、インキ、ぺンキ、鉄粉、金属材料、磁性体、冶金、焼結部品、セラミック、ガラス、レンズ、耐火煉瓦、研磨材、鉱業、石油化学製品、合成樹脂、化学ゴム、製紙業、鉄鋼、アルミ、セメントなどの建材、複写機などのトナー、医療器、電池、等があります。 使われ方は製造工程での品質管理以外では、新製品の研究開発段階で使われる事が多いようですので、企業名を公表するのは差し控えたいと思います。
|
問2:混合度は"粉体混合度リアルタイム測定システム" でしか測定できないのですか? |
---|
ページ先頭に戻る |
リアルタイム測定は必ずしも当社の ”粉体混合度リアルタイム測定システム”を使う必要はありません、混合度の計算はできませんが、次の様な実例があります。
1)フォトメーターの出力端子(DC0〜5V)を記録計に接続し、その記録グラフから混合状態を判定できます。 2)工場などの混合生産ライン中で使用する場合、同じ製品を作る場合は混合終了時の測定値の収束値は判っているので、混合槽にフォトメーターのプローブを固定し、出力端子に出力されているアナログ電圧を市販のプログラマブル・シーケンス制御装置などのアナロク電圧入力に接続し、別の入力として上限値設定スイッチ、下限値設定スイッチ、時間設定スイッチを設け、入力電圧が設定上限値と設定下限値の間に設定時間入っていれば何かで知らせるという様な制御をすれば、測定値がある範囲に、ある時間収束している事が判り、すなわち混合が終了している事が判ります。 3)上記2)と同様の考え方の製品: 混合度制御設定器(PM−SC1) を使えば生産ライン中での混合終了の管理ができます。 4)サンプリング測定では測定値を読み取れば、混合度計算式で計算できます。
|
問3: どの位の混合比を測定できますか |
---|
ページ先頭に戻る |
これは一概には言えません。
|
問4:プローブは混合中に摩耗しませんか |
---|
ページ先頭に戻る |
プローブの先端は硬質ガラスとステンレスによりできています。 (オプションで石英ガラスを使ったプローブも製作しています)
発売初期の頃にセメントメーカーや煉瓦メーカーに納めたものは10年程度稼働していますが、現在迄にガラス面が摩耗して曇ったという話はまだ聞いていません。
最近、あるメーカーの工場で品質管理のために混合度をリアルタイムで連続測定されているところがあります、広く浅い混合槽でプロペラの回転は20rpm程度と遅いとは言え、ダイアモンドの粉が多く含まれている混合物が常にプローブの先端に接触し循環しているのですが、プローブのガラス面は未だ曇っていないようです。
ダイアモンドの大粒径のものを高速で撹拌した時にプローブが摩耗するかどうかという試験はまだしていません。
|
問5:防爆対策はなされていますか |
---|
ページ先頭に戻る |
フォトメーター内部はIC等の電子回路ばかりで、接点その他火花のでるような部分は全くありませんので、防爆対策はしていません。 防爆について調べた結果、防爆機器を使用する必要のある工場へ消防署の立入検査があるという事と、防爆の基準を決めているのは労働省の外郭団体であると言う事が分かりましたので、その団体に色々聞いてみましたが、 1)工場の扱っている粉に依って防爆対策が違うという事。 2)防爆対策毎にその対策が出来ているかどうかを試験できる装置を購入するという事が絶対条件として必要となり、その試験装置がそれぞれ数千万円もするものであるという事。 3)労働省はもちろん、国または公共の試験機関でも、防爆対策を施した機器が防爆の基準に適合しているかどうかの合否の判定をしてくれるところは無いという事。 以上の事が判りましたので、フォトメーターは今後とも労働省の防爆の基準にもとずいた防爆対策は出来ないと思います。
|
問6:今までフォトメータで測定できなかった例を教えてください。 |
---|
ページ先頭に戻る |
例1)混合槽にフォトメータのプローブを挿入し連続混合を測定する場合、プローブのガラス面に次々と粉が当たってくれる必要があります。
例2)フォトメーターのプローブは混合槽の壁面に取り付けますが、混合中に粉が壁から離れるような動きをする混合槽では測定不可でした。 例3)同色の原料の混合の場合、一方の原料の粒度分布が大きいと、測定データがバラツキ、ある幅を持ちますが、混合するもう一方の原料の測定値がそのバラツキの幅の中にあれば、混合する2つの原料の区別がつけられず、識別する事は出来ませんでした。 例4)白色の原料が50%、黒色の原料が49%、灰色の原料が1%の混合の場合、フォトメーターのフルスケールは白色と黒色で合わせますが、灰色の原料の混合状態を特に知りたい場合は測定する事は出来ません。
|
問7: サンプリング測定する場合のサンプルの量および内容は |
---|
ページ先頭に戻る |
サンプルの混合度を測定する場合は、混合する以前の原材料(フォトメーターのフルスケールを設定する為にも必要)と混合後のサンプルが必要ですので最低3種類のサンプルが必要となります。 サンプル量は、フォトメーターの標準プローブ(6Ф)をサンプル試料に当てて場所を変えて10カ所位を測定しますので、100〜200cc位必要になります。 混合度では無く、単に2つの粉を識別できるかどうかのテストなら、サンプル量は20〜30ccでも測定できます。
|
問8: 混合機にセンサを取付ける場合の取付位置およびセンサ数は |
---|
ページ先頭に戻る |
センサ(フォトメータのプローブ)の取付位置は、混合機の形状、撹拌の方式など色々な要素があり、一概には決められないようです。 まず、撹拌翼がセンサに当たらない事が第一ですが、それ以上に大事な事は粉体が循環している(循環流の起こっている)場所にセンサを取付ける必要があります。 装置全体に循環流の起こっているような混合機の場合では、センサ数は一つでも、混合度の測定は十分可能です。 大阪府立大学化学工学科での研究では、混合機内での混合状態の分布を調べる為にも6CHのフォトメーターを取り付けておられますが、当社の今までの ”粉体混合度リアルタイム測定システム”の販売実績から言いますと、1つの混合機には2CHから3CHのセンサ数で混合度を測定される場合が多いようです。 また今までは、当社が混合機にプローブ取付用の穴を開けた事はありませんでした。 ユーザーが独自にプローブを取り付けられるか、ユーザーが混合機を新設される場合、混合機メーカーに「フォトメーターを何CH取付ける」と指定され、混合機メーカーが最適な位置にプローブの取付穴をあけてユーザーに納品する、という形態でした。 粉体工業技術協会の中に混合撹拌分科会があり、ほとんどの混合機メーカーはこの分科会に参加しておられ、粉体の混合についての研究をされていますので、混合機メーカーはこの方法を熟知され、自社の混合機への最適なフォトメーターのプローブの取付け位置を知っておられます。
|
問9: 実際に工場で使用する場合のアドバイスは |
---|
ページ先頭に戻る |
ひとつの例ですが、あるメーカーの場合、ベースとなる粉はいつも同じですが、混ぜるものは色々な粉があり、一回の混合毎に混ぜる粉が変わります、また作業者も決して計測機器を扱いなれた人ではありませんでした。 このような場合、混合する度に原料に合わせてフォトメーターのフルスケールを設定するのは、作業効率も落ちますし不可能でしたので、次の様な順でテストして実用化して頂きました。 1)全製品につかう全ての原材料をフォトメーター測定し、そのうちで最も明るい粉と最も暗い粉でフォトメーターのフルスケールを設定する。 2)フォトメーターのフルスケールの設定は同一のまま、全製品の混合を測定しデータをとる。(混合終了の判定は従来どうりとした、熟練作業者の目視と勘) 3)全製品の収束値を十分含む狭い範囲にフォトメーターのフルスケールを設定し直す。(この場合、フルスケール設定の基準として、適当な色のタイルを使用した。) 4)フォトメーターのフルスケールの設定は3)の狭い範囲で同一のまま、全製品の混合を測定しデータをとる。 (混合終了の判定は従来どうり、混合中にフォトメーターの測定値が0〜5のフルスケールから外れるときがあるが無視する) 5)全製品について混合終了時の混合度の値と平均値の一覧表を作成する。 6)毎朝、作業者は念のため3)の基準のタイルでフォトメーターのフルスケールを設定する。 7)作業者はある製品を作るための原材料を混合槽に入れて混合をスタートした後は、混合中の測定値が、その製品の一覧表の混合度と平均値の値になれば混合をストップする。 1)から5)は生産技術的な立場の人が一度行い、6)から7)は作業マニュアルです。
|
問10: サンプリング測定等でのプローブ使用のアドバイスは |
---|
ページ先頭に戻る |
プローブの光コネクターはフォトメーター本体のTXとRXコネクターのどちらに差し込んでも構いませんが、どちらかに決めておいた方が、データの再現性という意味で、正確な測定ができます。 プローブの光ファイバー部分を無理に鋭角(半径100mm以下)に曲げないで下さい、また同一測定中はなるべく光ファイバー部分の曲げ角は一定に保って下さい。 できればプローブを固定して下さい、プローブを手で長時間持っていますと、プローブの中の光ファイバーの光透過率が僅かですが変わります。 フルスケール設定を混合原料では無く、いつも同じ基準で測定される場合は、フルスケール設定の基準のものは粉や紙ではなく、なるべくタイル等のようなプローブを当てても色の変わらない物にします。 粉は空気中に放置する事により吸湿したり変色がおこります、また常に新しい粉を使うとするとメーカーやロットによって微妙に色が違います。 色見本などの紙を基準にすると紙にプローブを当てる度に、紙に少しずつ傷がつき反射光量が変化してきます。 フォトメーター単体で使用される場合は、フォトメーターのピークホールド機能を利用されると、プローブが粉から離れても、粉に当たったときの測定値をしばらくの間記憶しますので便利です。 サンプリング測定時のプローブの使い方には以下の様なものがあります。 1) 手でフォトメーターのプローブを持って粉に当て測定する。 2) フォトメーターのプローブを固定し、粉を持ってプローブに当て測定する。 3) フォトメーターのプローブを固定し、粉をラボジャック等の上に載せて、プローブに当てるスピードや粉の表面からの深さ等を統一し測定する。 4) 粉を適当な治具で押し固め(一定の圧力で)、フォトメーターのプローブを固定し、粉をラボジャック等の上に載せて、プローブに当てる圧力等を統一し測定する。 (4)が一番正確に測れますが、少なくとも (2)のプローブを固定する事は実行して下さい。
|
MSE株式会社 粉体事業部 Mail=Eメール宛先